オフィスウエア製造卸のセロリーは今年度上期(2015年12月~16年5月)、定番商品、別注商品とも販売が堅調なことから、前年同期比10%強の増収を想定する。太宰幹夫社長は、「昨年は取引先に物不足感を与えたが、今年は在庫をしっかり構え、定番、別注とも“商品力”の向上で順調に供給できていることが、増収に寄与している」と話す。
 3月単月の売上高は、前年同期比15%増の見通し。別注の受注増加により国内で生産対応したことで前期は、定番商品の供給にやや遅れがあった。今期は在庫を増し、供給力を強化した。アソートでの対応や、別注と定番商品を組み合わせた「多様なニーズに応えられる体制」が増収に寄与した。
 3年前から展開し、販売数量がシリーズ累計30万点を突破するニット製品をはじめとして、「セロリーらしい商品が充実してきた」(太宰社長)ことも増収に奏功した。定番商品のデザイナー5人に加え、各拠点で別注に対応するデザイナーを2~3人確保。さらにパタンナーも10人ほど配置し、他社に比べ豊富な人材と、特色を出した企画も受注拡大につながっている。
 同社は昨年6月、「優秀子育て応援企業賞」や、均等・両立推進企業として「岡山労働局長奨励賞」を受賞するなど、ワークライフバランスへの取り組みを推進。今期も社員が2日間のリフレッシュ休暇を取得できる制度を設けるなど、「働きやすい職場環境を心掛ける」。
 次世代を担う人材教育にも力を入れる。今年7月から2年をかけ、約20人に対して育成プログラムを始める。新卒生には1年ほど工場で研修させ、経理・財務担当には簿記の試験を受けさせるなど、一人ひとりの成長を見据えながら「質の高い企業」を目指す。
 今通期は、リーマン・ショック前とほぼ同じ同水準となる売上高45億円(前期43億6000万円)を想定する。秋冬以降の新商品についても「顧客に期待してもらえる商品をそろえる」とし、企画力に磨きをかける。


2016年3月25日(金) 繊維ニュース3面
















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