オフィスウェア製造卸のセロリー(岡山市)は、プレスや袋掛けなど最終の仕上げ工程の専門工場、ユンク(同)を子会社化し、自社工場として生産の効率化を進めている。最新のプレス機や自動袋掛け機を増設し、品質向上や省力化にも取り組む。
 ユンクは、前身の佐藤プレスから長年、協力工場としてセロリーの本社エストレヤの建屋1階部分で最終の仕上げ工程を担ってきた。別注や多品種小ロットが増えるなか、セロリーは裁断から縫製、仕上げまでの一貫生産体制を整え、QRを強化するとともに、定番品の供給安定化のため、昨年11月にユンクを完全子会社化した。
 ユンクは従業員が18人で、ボタン付け・穴あけのミシンや、立体プレス、アイロン、自動袋掛け機などの設備を持つ。佐賀県内にあるセロリーの自社3工場や、別寸・小ロット生産に対応する「Sライン」を構築するエストレヤ本社工場から送られてくる年間30万点の縫製品の仕上げを担う。その縫製品とは別に、返品された商品約20万点を再プレスする。
 昨年11月には最新の立体プレス機1台と自動袋掛け機1台を導入。プレス機はジャケット、ベスト専用のもので、ロータリー式で2セットずつ処置ができる。自動袋掛け機は既存のものより幅が広く、ジャケットやパンツなど形状に合わせ、余分な部分のビニールをカットするなど取り扱いやすくなった。
 ユンクの横山達三工場長は今後について、「従業員を20人ぐらいまで増やし、もう10万~20万点までプレスの数を増やしたい」とする。海外からの縫製品の仕上げも集約させることによってトータルで見た生産性の向上や、採算面での貢献を図る。「不良率もゼロに近づけ、人材育成にも取り組んでいきたい」と、仕上げの精度を高め、顧客の満足度を高める。


2016年4月22日(金) 繊維ニュース4面
















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