オフィスウエア製造卸のセロリー(岡山市)は来夏から清掃向けユニフォームで「空調服」のデバイスを活用した電動ファン(EF)付きウエアを打ち出す。女性向け中心のオフィスウエアメーカーがEFウエアに参入するのは初めて。徹底した女性目線による開発でシルエットにこだわったほか、抗ウイルス・消臭などの機能性も高めた。

 EFウエアは男性向けが圧倒的に多く「女性向けのニーズをカバーしていきたいが、選択肢が少ないという販売店からの声が多かった」(松本和久常務)ことから1年前から参入を検討していた。ファン・バッテリーのデバイスには「業界で先行し、消費者からの安心感があり、認知度も高い」(中島武彦取締役)空調服を採用。ビルメンテナンスなど清掃向けの「スキット」でEFウエアの販売に乗り出す。
 女性目線の開発によって工夫を随所に取り込んだ。EFウエアは空気を取り込み“だるまシルエット”になりがちだが、風の流れはそのままに必要以上の膨らみを軽減し奇麗なシルエットを追求。別布で腰回りの丈を長くし、お腹やお尻を隠す効果も持たせた。
 ファンを取り付ける穴は女性の体形に合わせて作業の妨げにならない位置に配置するとともに、裏側に配したポケットで穴をふさぎ通年でも着用できる仕様にした。肩こり防止のためにバッテリーの重さを分散させる設計も採用。空気触媒加工「ティオティオプレミアム」加工を施し消臭や抗菌、抗ウイルス、防汚機能も搭載する。
 初年度はポリエステル100%のベスト1種類を展開。カラーはカーキ、ネービー、アイスグレーの3色。サイズはS~3Lの5サイズでユニセックス仕様だが、M以下は女性向けとなる。基本的にデバイスとのセット販売を想定し定価は未定。下に着用するインナーも商品化し、ティオティオ加工に加え、キシリトール加工によって清涼感を持たせた。
 家庭菜園の際に着用するなど一般ユーザーに向けた市場開拓も模索。ゴルフ場での着用が広がる傾向からレンタルサービスでの対応も検討する。介護向けユニフォームの「アイフォリー」でも商品化を進める。
 同社はここ数年でティオティオ加工、ニット製品の販売が大きく増加。太宰幹夫社長はそれらに次ぐ「もう一つの柱になる商品へ育てていきたい」と話す。


 2020年10月9日(金) 繊維ニュース 3面



















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