オフィスウエア製造卸のセロリー(岡山市)は、仕上げ設備やレンタルユニフォーム向け管理システムなどの投資を進めている。新型コロナウイルス禍収束後の成長に向けて基盤固めを図る。
 先月、本社に隣接する仕上げ専門工場のユンク(同)にウエアの乾燥や仕上げを行う設備、トンネルフィニッシャーを導入した。一般的にクリーニング業が導入するような設備で、同社のようなメーカーが配備するのは珍しい。
 同設備は内部で商品のシワを伸ばし、ゆっくり搬送しながら乾燥させる。短時間で畳みジワが解消され、商品によっては仕上げのアイロンも省くことができる。従来に比べ「2日かかっていたところが半日で済み、かなりの効率化を図れる」(中島武彦取締役)と言う。  海外で生産した商品は現地で仕上げまで対応するケースがあるが、輸送途中でシワが付き、国内で再仕上げをするケースも多かった。現地での工程を省き、国内で「必要な時だけ仕上げをする」(松本和久常務)対応も想定。商品によってはハンガーにかけたままプレスしていたが、それらも同設備によって畳んでから出荷する方法に切り替えることを視野に入れる。
 売上高が10億円に迫るレンタルユニフォーム向けでは今年から販売代理店が活用しやすい管理システム「ラス」を導入した。必要な枚数を必要な期間だけレンタルでき、再利用できる商品は同社が修整し再び顧客の元へ送付が可能。無駄な在庫、業務の削減に貢献できる。
 来年1月には本店(岡山県倉敷市)で「Re,ユニフォームセンター」を立ち上げ、廃棄ユニフォームの再資源化に取り組む「Re,ユニフォームプロジェクト」とレンタルユニフォームを連動させた動きも加速する。

今期は10%減収見通し

 セロリーの2020年11月期売上高は前期比約10%減の44億~45億円になりそうだ。来期は「もっと厳しくなる」(太宰幹夫社長)との見方で、21年11月期売上高の目標を微増にとどめる。
 3月以降、新型コロナ禍で減収基調が続いたが、10月単月の売上高は好調だった昨年同月を上回る7%増だった。大口物件はまだ少ないものの、小口物件が増えつつあり「明るい材料が出てきた」(太宰社長)。人事制度も刷新する予定で、新型コロナ禍によって厳しい環境になりつつある中でも成長できる体制の強化に努める。



 2020年11月6日(金) 繊維ニュース 5面



















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