8月まで前半並みの受注確保

 オフィスウエア製造卸のセロリー(岡山市)は下半期(2020年6月~11月)に向け、抗菌、消臭などの効果がある空気触媒加工「ティオティオ」やニットなど売れ筋の商品で企画の充実を図る。新型コロナウイルス感染拡大の影響で市況が悪化しているものの、8月までは前年並みの受注を確保しており、売り上げの維持に努める。

 太宰幹夫社長によると、上半期(19年12月~20年5月)は2月まで前年同月を上回るペースで売り上げが増えていたが、新型コロナの影響で3月から販売が鈍化。上半期全体では前年同期比10%の減収だった。
 それでもティオティオやニットなど売れ筋を中心とした商品力のほか、国内の縫製工場で柔軟に納期を調整できる生産体制が評価され、受注を確保。ユニフォームの再資源化に向けた「Re,ユニフォームプロジェクト」も案件が増え、厳しい環境の中でも取り組みが進展しつつある。
 下半期は6~8月に前年並みの受注があるが、「売り上げの分母が大きい9月の減収をいかに食い止められるかにかかっている」(太宰社長)。
 仕上げ専門工場のユンク(岡山市)に9、10月ごろにアイロンがけの自動化設備を導入し省力化・効率化を図り、供給力の向上を目指す。太宰社長は「新型コロナ禍で不透明な環境にあるが、あらゆることを見直すタイミングと捉えている」と話す。


20秋冬は“スエード”

 20秋冬の「サスティナ服」では、フラッグシップモデルとしてオフィスウエアでは珍しいスエード調のラインなどを投入。サステイナビリティー(持続可能な)への対応強化に向け、ティオティオの防汚機能による洗濯回数の低減、東レの部分植物由来ポリエステル繊維「エコディア」の使用などを訴求。加工液に有害物質が含まれておらず、一定の環境基準をクリアしていることもアピールする。
 同シリーズでは、柔らかで女性らしい印象を与えるチェック柄の「エアフォートチェック」も打ち出す。加えて、通常の倍の糸の使用で複雑な柄を表現でき、日本でも数えるほどしか台数がないというLPJ編み機を用いた「グレースニット」、ニットながらしっかりとした風合いで動きやすさも重視した「リブライトニット」も主力商品として訴求する。



 2020年6月18日(木) 繊維ニュース 4面



















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